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東日本大震災による屋根の被害

 



なぜこうなったのか?私ごとですが工法に原因があると考えます。

失礼な言い方ですが、瓦業界の既成概念(みんながみんなそうではありませんが)が進化を妨げ
ているのかと思います。

どういった工法?

泥(現在はシルガードが主流)をベースに瓦(のし)を重ね一番上の丸瓦を銅線で縛りつけ、最後
に一番下の瓦(のし)下部(面戸・・・ぐしと言う人も)にシックイ(シルガードを塗る人も)を塗って完
了です。

こう崩れる原因は?

棟瓦内の泥が乾燥して劣化⇒面戸部分のシックイが劣化による肌別れ⇒地震の揺れで棟瓦内
の劣化した泥が流出⇒同時に一番下の瓦(いわゆる土台部分)がさらに上の瓦の重みに耐えき
れずに全体が崩落・・・学者ではありません、あくまでも私の推測です。

土砂崩れ、地滑りなどが良い例かと思います。



屋根補修工事(耐震仕様)

既存棟瓦を外し⇒既存瓦桟を撤去⇒清掃後防水テープ⇒鉄筋(D10)を配し(防水モルタル部
分の折れ防止の為)⇒棟補強金物(オリジナル  SUS304 t=2.0)をピッチ910mmで取付
(屋根タルキ止め)この時のビスも一応ステンレス製を使用します。


新設瓦桟を打ち付けます。


棟補強金物に補強棟木(105×27)を防腐剤塗布後に取付ます

その後1枚目がのる瓦(のし)の台を防水モルタルで作ります

しばらく置いた後に接着剤(エマルジョン)を塗布します

その後の瓦(のし)はすべて樹脂モルタルで固定します

面戸部分も樹脂モルタル仕上げます


一段目の瓦積みの後に丸瓦固定用のステンレスワイヤーを通します

併せて瓦(のし)ジョイント部分にシリコンシールを施し、2段目を積みます。(樹脂モルタル使用)


2段目を積んだ後に、補強棟木と樹脂モルタル付きつけ箇所にシリコンシールを施し、丸瓦(冠)を
被せシールパッキン+亀座金(緩衝&防水)を通したステンレスビスで固定する。

最後にステンレスワイヤーで固定し完了です。


既存は瓦(のし)3段でありましたが、2段で収めました・・・自重を軽くするためです。(泥に比べモ
ルタルの質量が重いので)


最後に

私は学者ではありません・・・単なる建築士に過ぎません。

建築士の観点で、またいろいろな工法を調べる中でこのような形になりました。

最初は職人さんにこの方法で工事をお願いしたところ・・・やれシルガード、やれシックイ、やれ何段
だのいろいろと言われましたが、終わってみれば今度は大丈夫だと理解してくれました。

決して最良の工法だと自分では思っておりません・・・むしろ未だに不安です。

しかし、こうすれば今まで以上に耐震性には優れているのではと考えました。


もしこれを見られた方へ・・・こうしたら良いとか良いアドバイスを頂ければ幸いです。

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